[韓国法] 親族相続法 講義
本書は、韓国ソウル大学校法科大学院名誉教授であるユンジンス教授が執筆された親族相続法講義第3版の日本語翻訳版です。
ユンジンス教授は、ソウル大学卒業後裁判官に任官され、約15年間の裁判官生活を送られた後、研究生活に戻られ、ソウル大学で民法学を長年教えてこられた現在の韓国を代表する民法学者のお一人です。その研究範囲は財産法から親族相続法まで、民法全分野に及び、いずれにおいてもすばらしい業績を上 げておられます。ユンジンス教授が執筆された韓国親族相続法の教科書は、同分野での最高水準を示してくださるものであり、同書を日本語に翻訳することは、日韓の法律分野の交流において、非常に大きな意味があると思っております。
私が代表を務めている芝パーク総合法律事務所では、韓国の親族相続法に触れる機会が多くあります。在日の方々や本国在住の方々に関連する親族相続 案件を取り扱うことが多くあり、その中で、韓国の親族法や相続法が準拠法となるケースがたくさんあるからです。そのような場合に、信頼を寄せることのできる韓国親族法‧相続法の教科書がまさしく本書、ユンジンス教授の韓国親族相続法講義なのです。私たちが、実際の受任事件において準備書面を作成するとき、法律相談業務において法律相談に回答をするとき、親族相続法上の法律問題について確認をしたいとき、当該問題についての判例の見解を調査する とき、私たちはまず、本書のページをめくります。多くの問題は、そうすることによって解決の第一歩を踏み出すことができます。当面する事案の参考判例や学説を探し出すことができるのです。私たちにとって、これほど有益な書物はありません。また、本書は私たちのような実務家だけではなく、韓国の親族相続法を研究対象とされる研究者の皆様にとっても大変有益な書物であると確信しております。長年の裁判官としての実務経験に裏打ちされ、さらにまた20年を超える研究生活で培われた学識に基づくユンジンス教授の解釈論が展開されており、この分野に関わるあらゆる実務家や研究者の皆様並びに立法に携わる人々にとって必読の書と言っても過言ではありません。
この序文を執筆している現在、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっており、日本と韓国の交流も困難な状況となっておりますが、今後においても 社会の結びつきの根本である人と人の身分的な関係を規律する親族相続法の重要性は変わりません。
私たちは、或る具体的な訴訟事件を担当しているときにユンジンス教授の本書に出会うことができました。その時、この書物は日本におけるこの分野の関係者にとって有益かつ必読の書であると感じました。このように意義深い教科書の日本語翻訳を任されたことを大変光栄に感じております。ここにユンジンス教授に心から感謝の意を表したいと思います。
また、本書の発行、出版の労をとっていただいた博英社の皆様、特に博英社日本支社の代表取締役中嶋啓太氏に感謝の気持ちを表したいと思います。
なお、翻訳において日本の読者にわかりづらいと思われる箇所には可能な範囲で「訳者注」を入れて説明しておきました。日本語訳は「正確」で「わかりやすく」を旨としましたが、私どもの能力不足のため至らない点があるかと思います。すべて訳者である私どもの責任です。ご容赦くださるようお願いします。
親族相続法講義日本語訳版序言
第 3 版序言
序言
凡例
第 1 編 親族
第1章 親族法序論
第2章 親族の範囲
第3章 婚姻
第4章 父母と子女の関係
第5章 後見
第6章 親族間扶養
第 2 編 相続
第1章 相続法序論
第2章 法定相続
第3章 遺言
第4章 遺留分
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